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粘膜系樹状細胞一粘膜免疫制御:エドガー・ケイシー療法:パイエル板

多様性のある免疫応答を最初に指示する場としてパイエル板は粘膜免疫の司令塔の役割を果たしている.

1.腸管免疫の中枢…パイエル板は外界から取り込まれるさまざまな抗原に対して,あるときは積極的に反応して,的確な免疫応答を誘導する''正"のシグナル伝達を行う(例:分泌型lgAの誘導).

2.抗原の種類と生体への必要性に応じて無視,無応答,寛容と呼ばれる"負"のシグナルの伝達を行う(例:粘膜誘導型寛容)・


 ヒトの最大の免疫システム腸管免疫機構

粘膜免疫機構は外界から取り込まれるさまざまな抗原の善玉性・悪玉性を識別している.

体によいものは積極的に取り込んでいる.

悪いものに対しては排除,無視,無応答という反応で生命維持に深くかかわっている.

中心的存在である腸管免疫システムは"緻密性とダイナミック性を備えた免疫誘導・制御システムを駆使して免疫学的恒常性を体内と体外環境との間に成立させている.

(食べる・飲むという行為を介して侵入してくる病原微生物を的確に腸管粘膜面で排除するために抗菌性物質に代表される自然免疫と分泌型IgAを中心とした獲得免疫が協力して第一線の防御体制を構築)

多種多様な腸内常在菌や食物由来蛋白に対しては,異常な反応をしないために無視,無応答という粘膜誘導型寛容(例:経口免疫寛容)を惹起することができる.


腸管免疫の主役としてのパイエル板

 パイエル板は抗原の取り込み,処理,提示の責任を果たしている粘膜系リンパ装置の代表的な免疫系組織です。

粘膜免疫の誘導・制御に不可欠な免疫担当細胞がすべて集まっている

Th1型・Th2型CD4+T細胞,CD8+T細胞,IgA前駆B細胞,DC,マクロファージが巧妙かつダイナミックな細胞間ネットワークを形成して分泌型IgAと粘膜誘導型寛容と呼ばれる相反する抗原特異的免疫応答を誘導・コントロールしているといわれている

経口投与された抗原はパイエル板のドーム領域を被っている上皮細胞層だけに高頻度で存在するM細胞により取り込まれる.

 

図1腸管免疫の司令塔としてのパイエル板

 そして,その下部にあたるパイエル板ドーム領域に存在するDC,マクロファージからなる抗原提示細胞(APC)により抗原情報の処理と伝達が開始される.

抗原提示により活性化されたドーム領域下部の不細胞領域とB細胞領域それぞれに存在するTh1型・Th2型CD4+不細胞やIgA前駆B細胞はCMIS(commonmucosal immune system)と呼ばれるIgA誘導のための循環帰巣経路にのって遠隔の粘膜免疫を実際に担当する実効組織に到達する.

パイエル板で抗原情報を提示され活性化された粘膜免疫担当細胞群は腸管の粘膜固有層にホーミングして,抗原特異的Th2型CD4+T細胞がIgA誘導サイトカインとして知られているIL-5,IL-6,IL-10を産生する.

IL-5やIL-6に特異的な受容体を発現しているIgA前駆B細胞はそのシグナル伝達によりIgAを産生する形質細胞に最終分化していく.

局所でつくられたIgA抗体は上皮細胞が基底腹側に発現するpoly Ig受容体(poly IgR)の1つである分泌成分と結合して,分泌型IgAとなり上皮細胞により管腔側に運搬されて粘膜面を被うように防御する.

腸管により取り込まれた抗原に対してパイエル板内に"負"の免疫を誘導・制御するようなT細胞が惹起される事実はすでに1970年代後半から1980年代にかけて多数報告されている(サプレッサーT細胞の概念)

経口投与された蛋白抗原に対して,パイエル板の中には粘膜系のIgA産生を増強するヘルパーT細胞と全身系(例:血清)IgGを抑制するサプレッサーT細胞が誘導されるのである

これによって粘膜系では"正",全身系では"負"という対極している免疫応答が巧みに誘導・制御されているということになる.

最近では抑制性サイトカインとしてよく知られているTGF一βを産生するTh3型細胞がパイエル板に誘導され,この細胞群が粘膜誘導型寛容の中心的役割を果たしているという報告もある.IL-10,TGF一βを産生して異常な免疫応答を抑制するTr1細胞の存在も報告されており,"負"のシグナルを伝達する不細胞群の存在が再度注目され,その発達・誘導組織としてのパイエル板の免疫学的存在意義が今改めて問われている.

パイエル板は外界から取り込まれるさまざまな抗原に対しであるときは積極的に反応して,的確な免疫応答を誘導する"正"のシグナル伝達を行うし、ときは抗原の種類と生体への必要性に応じて無視,無応答,寛容と呼ばれる"負"のシグナルの伝達を行うという多様性のある免疫応答を最初に指示する場としてまさしく粘膜免疫の司令塔の役割を果たしている免疫担当組織である.


DCがパイエル板の誘導組織としての多様性の源なのか

 "正"と"負"の免疫応答の司令塔としてのパイエル板の役割は,それぞれの免疫応答を制御する不細胞群,たとえばTh1型・Th2型CD4+T細胞やTh3型T細胞,そしてTr1細胞と呼ばれる抑制性不細胞を誘導・活性化する組織としてとらえられてきた.

近年,不細胞の誘導・活性化に不可欠でその上位で働くAPC群の中でとくにDCの役割が明らかになるにつれて,パイエル板におけるその位置づけもかなり変わってきている.

パイエル板内に存在するDCがその中枢的役割を果たしているらしい.

1)DCによるlgAアイソタイプスイッチングの制御

パイエル板にはIgA前駆B細胞が高頻度で存在するという事実がある.

B細胞領域の胚中心部位でIgMからIgA遺伝子へのアイソタイプ遺伝子変換が積極的に行われていることを示唆している.

パイエル板からDCを分離してT細胞とともに培養するとDC-CD4+T細胞クラスターが形成される.

その2極細胞クラスターとIgM発現B細胞を混合して培養するとそこには高頻度でIgA前駆B細胞が誘導される.

この現象はパイエル板由来のDCに依存する.

脾臓細胞から分離してきたDCによるDC-CD4+T細胞クラスターではまったくその効果は認められなかった.

さらに,パイエル板由来のDCをパイエル板と脾臓から分離してきたCD4+T細胞群とそれぞれ2極細胞クラスターを形成させて比較検討してみると,両方の2極細胞クラスターによって,IgA前駆B細胞の誘導が惹起されていた.

この結果はパイエル板由来のDCが中心となりCD4+T細胞と積極的に協力してIgMからIgAへのアイソタイプ遺伝子変換を誘導していることを示唆している.

それを指示するようにパイエル板由来DC-CD4+T細胞クラスターとIgM発現B細胞を混合した培養系から分離したB細胞では,抗体遺伝子レベルでのμからα遺伝子への変換が誘導されていることが示唆されている

パイエル板にはIgMからIgAへのアイソタイプスイッチングを制御するスイッチT(Tsw)細胞が存在するという報告がある.

さらに,TGF一βが細菌由来活性物質であるLPSによって活性化されているIgM発現B細胞のμからα遺伝子への遺伝子変換を特異的に誘導するIgAアイソタイプスイッチングサイトカインであるという事実がある.

これらの結果と前述したDC-T細胞クラスターの免疫生物学的機能を統合してみると,パイエル板に高頻度で存在するIgA前駆B細胞誘導に関する一連の流れがみえてくる.

パイエル板DCがDC-CD4+T細胞群とクラスターを形成し,DCからのシグナルによりTGF一βを積極的に産生するTsw細胞が誘導される.

このTsw細胞は現在Th3型細胞ではないかといわれている.そして,Tsw細胞を含んだDC-T細胞クラスターとIgM発現B細胞が遭遇することでTGF一βによるIgAへのアイソタイプスイッチングが積極に惹起されているのではないだろうか(図2).

この一連のIgA前駆B細胞誘導機構には未解決の部分も多いが,パイエル板に存在するDCがIgA特異的B細胞免疫応答を誘導する初期段階において非常に重要な役割を果たしていることは間違いない.

2)パイエル板由来DCによるTh2型細胞誘導

IgA前駆B細胞が最終分化して同抗体を産生する形質細胞になる過程ではIgA誘導サイトカインとも呼ばれるIL-5,IL-6による活性化シグナルが必要である.

Th2型サイトカイン産生CD4+T細胞の誘導が必須ということになる.

このTh2型サイトカイン産生Th細胞の誘導にパイエル板のDCが深くかかわっているらしい.

パイエル板のDCと2極細胞クラスターを形成したCD4+T細胞のサイトカイン産生能を調べてみると,非常に高いレベルのTh2型サイトカインの分泌が認められた.

最近の卵白アルブミン(OVA)特異的TCRトランスジェニックマウスを使った実験においても,パイエル板由来のDCにはナイーブな抗原特異的Th細胞を選択的にTh2型に誘導する働きがあることが報告されている.

逆に,脾臓から分離されたDCはIFN一γを産生するTh1型細胞を積極的に誘導した.

パイエル板由来のDCにはThO細胞をTh2型細胞に選択的に導く働きを有していることが示唆される.

 

 


パイエル板には数種類のDCが存在している

 

樹状細胞基礎から臨床へ(南江堂)より

 

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