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16.1.6.腸神経系

胃腸管は種々の効果器系、すなわち血管以外の平滑筋、上皮細胞、血管、そして内分泌細胞から成る。

これらの胃腸管の効果器系の調節や協調は、腸神経系と外因性の副交感神経系および交感神経系と脊髄神経の内臓求心路と迷走神経求心路により調節される。

胃腸管の基本的な機能のほとんどは、外因性神経(副交感神経および交感神経)支配を切断しても障害されない。

腸神経系の大部分のニューロンの細胞体は筋層間神経叢myentericplexus(アウエルバッハ神経叢)と粘膜下神経叢submucosalplexus(マイスネル神経叢)にある。

この系は、求心性ニューロン(その神経突起は受容器の性質を持つ)と介在ニューロンと運動性ニューロンから成る。

ヒトの腸神経系は108個のニューロンから成る。これは脊髄の全ニューロンの数とほぼ同じであり、腸神経系に投射するおよそ2,000本の迷走神経中の副交感神経節前線維よりもはるかに多い数である、

腸神経系の一般的な機能の基本概念を図16-8にまとめる。

腸神経系は、効果器系の調節と協調のために働く感覚性および運動性のプログラムを持っている。

これらのプログラムは求心性ニューロン、介在ニューロンおよび運動性ニューロンと、これらのニューロンの間の興奮性および抑制性の連絡から成る。

このプログラム(図の中で四角と丸と楕円の組み合わせで表している)は陽神経系の統合機能を表している。

中枢神経系は外因性の自律神経を介して腸神経系の神経活動に影響を与えることができるが、その影響は主として修飾作用である。

腸神経系の運動性ニューロンの一部(特に胃と下部結腸において)は同時に副交感神経系の節後ニューロンとして働く(図16-9参照)。

図16-9腸神経系とその外因性副交感神経および交感神経調節の機構。

1、2:蠕動運動に関与する興奮性および抑制性経路。

3:椎前神経節の交感神経節後ニューロンに向かう求心性ニューロンの側枝。

(Burnstock:Pharma。col。Rev。24:509-581、1972と[1]のHolmanより改変)。

交感神経系のうち血管を支配していない前後ニューロンは、消化管括約筋の平滑筋を除いて効果器細胞に直接には影響しない(図16-9参照)。

胃腸管からの情報は、脊髄あるいは延髄への内臓求心路を介して中枢神経系に伝えられたり、椎前神経節の交感神経節後ニューロンヘの求心性フィードバック入力としても働く(図16-9の3)。このような働きが統合されて、陽神経系は知的なコンピュータの端末のように働く。

効果器の近くには、効果器の内腔の状態に合わせて効果器系の動きを常時調節する反射経路がある。

中枢神経系(メインコンピュータとして)は内臓求心路の神経活動を介して、胃腸管の活動をモニターし、生体の動きに合わせてその機能の状態を変える。

すなわち、中枢神経系は戦略家のような役割を果たしており、個々の運動性ニューロンを動かすというよりも、むしろ神経プログラムを調節し腸神経系を動かすことによって働く。

胃腸管機能の始まりと終わりにおいて(つまり、摂食と排便のとき)、中枢神経系はもっとも直接的な神経性調節を行う。

腸神経系では、電気生理学的、薬理学的、生化学的、組織化学的、超微形態学的な研究に基づいて、10以上の異なるタイプのニューロンが区別されている。

介在ニューロンは他のニューロンに対して、運動性ニューロンは効果器細胞に対して興奮性あるいは抑制性の作用を持つ。

腸神経系には、アセチルコリンを含有するニューロンη他に、神経伝達物質あるいは神経修飾物質として働いたり傍分泌される性質を持つ物質(たと向えば、セロトニンやATPや神経ペプチドなど約10種類ほど知られている)を含有するニューロンが存在する。

胃腸管のそれぞれの機能の反射弓はあまり知られていない(たとえば、蠕動運動、分節運動、振子運動、血流の局所調節など)。蠕動運動の神経性調節は、おそらく腸管壁内の口側から肛門側へ向かう2つの反射により行われる。

1つは抑制性(図16-9の2)、1つは興奮性である(図16-9の1)。腸管壁が伸展されると、最初輪走筋の反射性抑制が起こり(2の経路による)、消化管壁の筋の弛緩が起こる。

この抑制性の反射の後、経路1を通って輪走筋および縦走筋の興奮性の反射が続いて起こり、腸管壁を下行する収縮が起こる。

抑制性の運動性ニューロンは、コリン作動性でもアドレナリン作動性でもなく、ATPか、もしくは神経ペプチド(たとえばVIP,p.48参照)を伝達物質としているらしい。

求心性ニューロンはおそらくペプチド作動性である。興奮性ニューロンの多くはコリン作動性であるが、他の伝達物質、たとえばセロトニンやソマトスタチンなども関与している、

腸管支配の交感神経節後(アドレナリン作動性)ニューロンは、直接に、抵抗血管および容量血管と括約筋(たとえば、内肛門括約筋など)の平滑筋に影響を与える。

しかし、括約筋以外の平滑筋に対する直接作用は弱い。

交感神経節後ニューロンは、副交感神経節前ニューロンの軸索のシナプス前終末からの伝達物質放出を抑制する(p.346参照)。

おそらく他の軸索に対しても同様の作用を持っている。椎前交感神経節の交感神経節後ニューロンは、節前ニューロンからだけではなく、腸管壁内に細胞体を持つ求心性ニューロンからもコリン作動性のシナプス入力を受ける(図16つの3を参照)。

さらにこのニューロンは、脊髄神経節の中に細胞体を有する一次求心性ニューロンの軸索側枝からペプチド作動性のシナプス入力も受けるらしい、

副交感神経の節前軸索は、腸管平滑筋の活動を高める運動性ニューロンだけでなく、活動を抑制する運動性ニューロンに対してもシナプス連絡する(図16-9)。

この中枢神経による抑制性調節は、胃腸管の口側および肛門側の両端でもっとも顕著で、おそらく、食べ物を食べたときの胃の反射性弛緩や直腸での糞便の保持の調節に重要な機能を果たしている[1,26,36,53]

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